=キング of ビースト=3
「別に被害者ぶってない!私はただ、許せなかった!!あんな奴が当たり前のように夜琉さんの隣を歩いているのがッ!!」
「それが理由で突き落としたわけ?」
「そうよ!!私が繁華街で夜琉さんとあの女を見たとき、どれだけ苦しかったか…ッ!!あの女も私と同じように苦しめばいいッ!!」
ヒステリックを起こしている女、安藤はどんどん周りから反感を買うような事ばかりいい続けて。
「…ふっ。」
それを聞いていた璃玖は小さく笑った。
「ねぇ…安藤さん。」
そう呼び掛けながらしゃがみ込んでいる安藤に近づき、目線を合わせる。
「安藤さんは、さ。
本当にそれで由莉ちゃんが苦しんだと思う?」
「……―ぇ?」
「俺はさ、」
と、一旦言葉を切った璃玖は小さく笑っていたがすぐに悲痛な表情になり、震える声で続けた。
「……………―俺は、
夜琉が一番苦しんでいると思うよ…。」