=キング of ビースト=3
つまらなそうな声を出した紅雨にハッとなった由莉は、勢いよく夜琉から離れた。
「なんだろう、この光景二度目だよねー。」
そう言って笑う紅雨は星龍の時を思い出していて、
「あの時も今とほとんど変わらない状況だったな。」
それに弘樹も同調した。
由莉を肩に抱く夜琉は、
「…大丈夫か?」
脳震盪の後遺症を心配していた。
「実は結構頭痛くて気持ち悪い。」
由莉の容態を気遣った夜琉はすぐに、倉庫の二階に戻ろうとしたが、
「ちょっと待って。」
由莉に止められた。