IN THE CLUB
私はTOMOKAZUにあうたびにあの白い粉を入れた。
もうオレンジのキャップも自分で外せる。
TOMOKAZUが千円札を丸めて吸引していたら私もそれを真似した。
全部TOMOKAZUと同じでいたかった。
同じ物を感じたかった。
同じ物を見たかった。
同じ事を知りたかった。
ずっと一緒にいたかった。
繋がってたかった。
一つになりたかった。
ずべてを共有したかった・・・。

「TOMOKAZU俺にもその女回せよ。」

いつもの部屋で見たことのない男が言った。

「はぁ?ふざけんのもいい加減にしろ!」
TOMOKAZUは立ち上がり私と男の間に壁を作った。
瞬間的に私はTOMOKAZUの左手を握った。
「心配するなよ。」
そう言ってTOMOKAZUは私の手を解いた。
「お前は俺が守ってやるから。」
振り返り私を見下ろすやさしい笑顔。
私の大好きなやさしい笑顔。

「てめーみてーな汚ねぇ男に指一本触れさせるわけがねーだろ。うせろや。」
TOMOKAZUが私の手を引き私を立ち上げた。
「今日は帰ろうぜ。外は寒いしな。」
私がうんと頷くと同時に衝撃を受けた。
TOMOKAZUが目の前で倒れこんだ。
何が起きたのか解らないのに私は泣いている。
頬をつたう涙を拭った。
違う、、、。
涙じゃない。
TOMOKAZUの真っ赤な鮮血だった。
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