青春スパイ大作戦【短編集】

告白当日。

学校から家に帰り、オレは家の電話を手に、何度も本田さんの家の番号を押しては、受話器を切った。

ヌゥゥゥゥゥウウウ。神様、オレに勇気を・・・。

心拍数は、ずっとMAX。自分の鼓動がこんなに耳障りと思ったことは無い。

しかし、オレは、意を決すると、電話番号を押して受話器を耳につける。

『プルルルルルル、プルルルルルル・・・』

1回、2回、さn

『ガチャ ハイ、もしもし本田ですが』

お母さんが電話に出る。
オレは、つまりながらも、名前を告げると彼女が出てきた。

『もしもし?ムラニシ君?どうしたん?』

あぁ、なんて可愛いらしい声なんだぁぁぁ。
一瞬だけ、トリップしたが、オレはすぐに意識を取り戻すと、

「いや、実は・・・、オレ、本田さんのこと、好きやねん」

ついに、言ったぞ・・・。言ってやった・・・。言ってやったぞー!!

オレは、言った時点で半分満足してしまっていた。

さぁ、返事を聞かせてくれ。
その可愛い声で、「ウン、私でよければ」って、言うんだよっ!

そうすれば、オレも明日、「あ、オレ今日からみんなと一緒に帰れへんから、スマンなー」って、ニヤニヤしながら言うんだから!

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