青春スパイ大作戦【短編集】

K太は、「もし、見つかっても、オレだけ追いていかんどいてなぁ」
切ない目でこっちを見るが、

「そんなことはできん」
「やだ」
「ごめん」

他の三人の意見は、珍しく一致する。(親友です)

K太は、泣きそうな顔になるも、ため息を一つ吐くと、「いってくるわぁ」寂し気な声を残して、灯りが漏れる部屋の近くまで近付くと、四つんばいになって、窓の下を這って通り過ぎる。

そして、安全な位置まで来ると、こっちに向かって両手で大きな丸を作ってよこす。
顔には満面な笑み。

ちょっと気持ち悪い。と思いつつもオレ達も移動を開始する。

通り過ぎる時に、チラっとカーテンの隙間から中を覗くとテレビの画面が見えた。
しかし、人の気配はしなかった。どうやら、本当に人がいるようだが、今は見回りでもしてるのかもしれない。

オレ達は、気を引き締めると慎重に奥へと進む。


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