青春スパイ大作戦【短編集】
しばらくは、一人でソリティアをやり続けていたが、そんなことで我慢できたのも三日が限界。

既にその時には、数少ないパソコンゲーム雑誌を購入し、どのエロゲーを買うかの調査は終了していた。

よもや、オヤジに、「将来、エロ関係の職に就きたいから、エロゲー買ってくれ」なんてことは口が裂けても言えないので、こればかりは自分で手に入れなければならない。


とある日曜日。

オレは、机の引き出しの奥に閉まってあった正月のお年玉を握り締めると、電車に乗り大型電器店のある三ノ宮に向かった。

そして、セイデンシャという電器店に入る。
パソコンゲームの売っているのは4F。

エスカレーターを登ると、一太郎やofficeなどのビジネス向けのソフトがあり、さらに奥にいくと、パソコン向けのゲームソフト。そして、そのゲームの棚の一角にオレの目的とする商品があった。

今でこそ、エロゲー専用の区画があり、女性や子供達は近づきにくい雰囲気になっているが、その頃は、まだそんな住み分けもされておらず、普通のゲームとエロゲーが平然と並んで置いてあるような状態だった。

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