青春スパイ大作戦【短編集】
こ、ここまで来て手ぶらで帰るの?んなわけ無いよね?
もう、こっちはエロゲーしなきゃ、スト起こすよ、スト。

オレは、自分の欲望にけしかけられ、他のエロゲーを物色し始めた。

しかし、パッケージだけでは全くわからん。
とりあえず、パッケージ裏の説明を見てみるが、全てが全て、エロくて面白そうに見えるではないか。

さらに、レジの方を見ると、なんとさっきのむさ苦しい男が女性とチェンジしてしまったではないか。

あぁ、行かないで、もうちょっとそこにいてー!!

人生で、これほどまで、むさ苦しい男を求めたことは、後にも先にもこの時だけだろう。

さすがに、女性の店員の前でエロゲーを買うことはできん。
だって、エロ+オタクだぜ。しかも、18歳未満だぜ、オレ。
勇気出してレジに言っても、

「アラアラ、坊や。これは18歳にならないと買えないのよ。もう少し大人になってから来てね、オホホ」

なんて、言われた日にゃ、その足で駅のホームからダイブしちゃうよ、オレ。

そう思いながらも、自分の勇気の無さに自己嫌悪に陥るが、オレの目はまだ死んでなかった。

そう、オレには勇気は無いが、忍耐力がある。

再び、あのレジの担当が男に変わるまで、オレは待つことを決めた。

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