あたし、花火。[短編49P][企画]
「何? この花火」

 夜、待ち合わせの公園に来た百花先輩が、俺の抱えている三本の打ち上げ花火に驚いている。

 百花先輩の驚いた顔なんて珍しいものが見れたな。



「これは魔法の花火です」


 俺がそう言いながら少し離れた位置に打ち上げ花火をセットすると、百花先輩は不思議そうに首を傾げた。



「魔法の花火?」



「そう。これが打ち上がるたびに、先輩は魔法にかかるんです。

まず一個目で……百花先輩の中の残り火が消えます」
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