あたし、花火。[短編49P][企画]
そう言いながら、俺は一つ目に着火して少し下がる。
ヒュンッと、音を立てて、花火が上がった。
「残り火……」
きっと百花先輩には、俺が何を言ってるか分かるはずだ。
「先生……」
百花先輩が消えた花火のあったところを、ボンヤリ見つめている。
やっぱり、意味は通じていたようだ。
俺は続けて二個目に火を着けた。
「次、二個目で……
百花先輩の中の俺がもっと燃え上がる」
またヒュッと音がすると、キラキラとした線を描きながら花火が上がる。