あたし、花火。[短編49P][企画]
 いきなり先輩が、打ち上げ花火をサッとと足元にセットし、着火する。

「あぶなっ!!」


 二人の足元に置くなんてどうかしてる!!



 俺が慌てて百花先輩の手を引いて下がると、百花先輩は楽しそうに微笑んでいた。

 笑い事じゃないって……。



 ヒュッ。


 少しして俺たちがさっきいた場所から音が上がる。



「――!?」

 花火が上がる寸前で目を塞がれた。


「三個目は、見ないでいい」



 百花先輩が目の前で言う。どうやら、花火に背を向けて、自分も見ていないらしい。

< 47 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop