黒白の彼方
声の元に目を向けると白衣を着た男の人が立ってる。
誰、この人。
手には名簿らしき物とか教科書を持ってる。
多分新しく来た先生だ。
朝からうるさいな。
1分や2分の遅刻位見逃しなさいよ。
遅刻したのはあたしだけど、そう考えると少しイラッとした。
だから挨拶も「…はよ…ざいます」なんてハッキリしないものになってしまった。
とりあえず教室は近いから走って振り切ろう。朝からお説教はテンション下がる。ただでさえ遅刻なんだから。
先生が何か言い出す前に歩き出す。
廊下の窓から見える桜はまだ蕾のままだった。