黒白の彼方
寒い。
厚い雲に覆われた空。
ふわりふわりと白い粉雪が舞う。
雪の様に白いマフラーを巻いたあの人が
あたしを待ってる。
駆け寄ったあたしのマフラーを巻き直してくれる。
何色のマフラーだったかな…。
おかあさん、雪が降ってきたよ!
でもあの人は、母さんは答えてくれなくて。
ただ、呟いた。
真琴、あなたのせいよ。
あなたのせいで
お母さん、死んじゃったじゃない。
恨めしそうに
白いマフラーを深紅に染めて
ただ、呟いた。