黒白の彼方
ふと藤原サンの視線があたしの持ってる買い物袋に注がれる。
女の子の買い物袋を見るなんてデリカシーがないとは思うけど、恥ずかしがるような物買ってないし。ていうか恥ずかしい買い物って何?
「料理作れるんだろ?今日の飯何にするんだ?」
突飛な質問だなぁ。
いきなりこんな事質問されるなんて思ってもみなかった。
カサリ…
買い物袋を少し持ち上げて中を見てみる。
卵があるしなぁ。うん、これにしよう。
「まぁ作れますよ。
今日は得意料理の卵かけご飯です。」
ふんっとちょっと自慢げに言ってみた。
…なのに。何この微妙な空気。そして微妙な表情。
変な事は言ってないはずなんだけど。