黒白の彼方
「それ…料理って言えんの?
つかお前いつもそんなん食ってんのか…?」
月明かりが明るいお陰で藤原さんの冷やかな視線をハッキリと認識できる。
ていうか、卵かけご飯って料理じゃないんだ…。びっくり。
そういえばご飯は大体簡単に出来るものか出来合いのもの、それか女将さんが作りすぎた時におすそ分けしてくれたのを食べてるなぁ。
家ではあんまり台所に立ってないかも。
そもそも作る時間ないし。
目の前で、はぁ…と盛大に溜息をつかれた。相当呆れたらしい。
すると突然、あたしが持ってた軽い買物袋を手に取ったかと思えば
「今日の飯は作ってやる」
と腕を掴んで階段を上り出した。
…これって逆家庭訪問?
その前に教員が自分の家に生徒連れ込んで良いの?
とりあえずご飯作って貰えるって事で喜んでおいた方が良いのかな。