黒白の彼方
そんな事を思い出しながらまだ冷たい空気が漂う部屋を横切って洗面所へ。
ヘアブラシで少し寝癖が目立つ髪を整えて、いつもの通り一つに束ねる。
『もうちょっと髪型アレンジすればいいのに!』なんてクラスの子には言われるけど
そんなの興味ない。
だってこれが1番動きやすいんだもん。
おしゃれに目を向ける暇なんてない。
今はただ自分の生活を送るのが最優先なんだから。
制服に着替えて黒いマフラーを巻く。
何年もの間巻き続けてるこのマフラー。
人前では絶対外せない。
新しい担任…きっと文句言ってくるよね。
はぁ…っと溜息が出る。