私達の生きた道
「ん…」
目を覚ますと、
そこは病院の個室だった。
「痛っ」
まだ、痛みが残る頭を抱えて辺りを見回す。
…誰もいない。
ガララ…
すると、
個室に誰かが入ってきた。
見るとそれはお母さんだった。
お母さんは涙目で私を見る。
「ああ…起きたのね」
「お母さん…私?」
と、私はそこで思い出した。
「お、お母さん!試合は…うぅっ」
いきなり大きな声を出したから頭に激痛が走った。
「立夏っ…」
お母さんは慌てて私に駆け寄り、私を支えた。
そして、
お母さんはゆっくり話した。
「試合は、大丈夫よ。蒼空ちゃんが立夏の分まで頑張ってくれてるから…」
「蒼空…」
本当に悪い事をした。