私達の生きた道


「待ってよ、蒼空〜」

その声も、今となっては蒼空には聞こえない。
私は急いで蒼空を追う。


と、その時。

ドンッ


誰かに肩がぶつかってしまった。

「あ、ごめんなさいっ」

私は立ち止まって、ぶつかった人に謝る。


「いや、大丈夫」

綺麗な低音の声。
私はふと、顔を上げた。


そこには。
顔の整った、茶髪の男。

私と同じ年くらいだろうか。


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