好きとは言えなくて…
何故ここに斉藤君がいるの?
私はまだメールしてないから来るわけが…

「さっきから悶々と考えてるけど斉藤君はあたしが呼んだのよ♪」


菜美は欲しかったおもちゃを買ってくれて喜ぶ子供のように嬉しそうな声をあげた。


あの嬉しそうな態度は何か企んでるな。


「とりあえず斉藤君そんなとこに立ってないで由衣の隣に座っていいよ」

菜美にそう言われて斉藤君はほんのり顔を赤くしながらも私の隣に座った。


こんな純情そうな斉藤君までをも巻き込むなんて菜美は恐ろしいわ。


「最上さん。僕が来てしまって迷惑じゃないですか?」


斉藤君は斉藤君でオロオロとしながら私の様子を伺う。


「斉藤君よりかあっちの方が迷惑極まりないから大丈夫だよ」

斉藤君の方を見て菜美を指さしながらニッコリと微笑みながら言うと斉藤君は更に顔を赤くする。

あれ? 私なにかした?

「由衣子ちゃん? なんか酷い言い様ですね。そんでもって天然口説き魔め!」


天然口説き魔は酷くない?


「そのキャラを佐倉君に出来れば好きになって貰えるかもしれないのに」


菜美が何か呟いたようだけど私の耳には届いていなくて何がなんだかさっぱりの中携帯が震えてメールが来たことを知らせた。


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