好きとは言えなくて…
誰だろう? 目の前には斉藤君がいるから多分佐倉君だろう。


そう思いながら携帯の液晶を見ると液晶には案の定佐倉君の名前が刻まれていた。


「携帯見なくていいんですか?」


私が携帯を開かずに液晶だけを見てたので不思議に思ったのだろう。斉藤君が尋ねてきた。


「えっ? あっ、うん」

そういえば斉藤君って私の事を好きだって言ってたよね?
そんな人の前でメールなんて見てもいいのかな?


物凄く斉藤君に対して酷いことしてる気がした。
だからって佐倉君と付き合ってる訳でもないんだけど。というかもうフラれてるようなものだしね。


うん。佐倉君は友達だよね。

そう自分に言い聞かせながら携帯を開いてメールを確認した。
私の隣から『結局見るんかい』なんてツッコミが聞こえた気がするけど気にしないことにする。


『ありがとう(^^)でもまだ付き合ってはいないんだよねf(^^;ほら、俺も男だから自分から告白したいってのがあったからさ(・∀・)

今日の朝なら電話したよ(*^^*)なんか物凄く深刻そうだったから気になってさf(^^;
何もないならいいけどさ(。-∀-)』


心配になって電話をしてくれたのは嬉しいけど…なんかやだ。


私は右隣にいる菜美に無言で携帯を渡した。勿論さっき佐倉君からきたメールを開いて。
私に携帯を渡された菜美はそのメールを無言で読んでいた。


本当は人から来たメールを見せるのは良くないけど言葉で話すよりか見せた方が早いと思ったから。


私の左隣にいた斉藤君は不思議そうな顔をして私と菜美を見ていた。




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