好きとは言えなくて…
「美味しい?」


梢は不安そうな顔で俺に尋ねる。


「あぁ。旨いよ」


「良かったぁ。
自分で作ってるから美味しいって言われると嬉しい」


安堵の表情をしながら両手を前で重ねて嬉しそうだ。


「梢って自分でお弁当作ってるの? すげぇ」


俺なんていつも母親に作って貰ってるし。


「そんなことないよ。慣れたら料理作るの楽しいから。
そうだ。明日から竜貴君の分も作ってこようか?」


「いいの? 負担にならない?」


「お弁当の1つや2つ変わらないよ」


梢はクスクス笑いながらもそう言う。


やっぱり梢は可愛いな。


お弁当のおかずを口に運びながらもそう思う。


うん。このまま行くとまた梢のことを好きになれる。


そんな気がした。



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