好きとは言えなくて…
私は斉藤君に連れられて(正確には斉藤君が一方的に引っ張ってるいのだけど)学校の近くにある商店街へと向かった。


商店街といっても地元の人しか行かない古びた所ではなくて古着屋さんや食べ物屋さん、アクセサリー屋さん等が多く立ち並ぶ場所なので若者も少なくない。



隣にいる斉藤君を見るとワクワクと楽しそうな顔をしていた。


「あの…どうしてここに?」


「僕、彼女が出来たらここに来るというのが夢だったんです」


斉藤君は至極嬉しそうに言った。


楽しみにしてたならちゃんと付き合わないと。今は恋人同士なんだから。
それに少しは気が紛れるかもしれない。


「わかった。斉藤君はどこか行きたい所はある?」


そうと決まれば楽しまないとね。


今度は私が斉藤君の手を引っ張って商店街の中に入った。
さっきとは反対に斉藤君が慌てていてそれがまた可笑しかった。







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