好きとは言えなくて…


「二人で話すとなって来る場所が公園って子供ですか!
どうせなら喫茶店かどっかに行きたかったよ」


公園にあった屋根のあるベンチに座りながら犬飼さんはブーたれる。
初めて会った人にこの態度はどうなんだろうか…



「はぁー…で、犬飼さんは俺に何の用なんですか?」


「溜め息つくと幸せ逃げますよ?」

「うるさい! いいから話ってなんなんですか?」

犬飼さんのペースに着いていけなくてついつい怒鳴ってしまう俺はガキなんだろうか? いや、そうじゃないと思いたい。


そんな他愛もないやり取りをしていると犬飼さんは真剣な顔で俺を見つめ一度深呼吸をして話を切り出した。


その表情を見て犬飼さんは最上のことを大切なんだって思って俺も背筋をスッと伸ばして犬飼さんの話に耳を傾けた。





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