好きとは言えなくて…

追いかけたら追いかける程逃げるもの

市川さんと駅に会って数日が経ったけど、私は何事もなく平和に学校に通っていた。
もちろん斉藤君とは順調なお付き合いをしていた。


だって市川さんにあんな宣誓布告されたら佐倉君と話せるかというと無理な話だ。


まぁ、市川さんと会わなくても佐倉君とは極力会わないようにしていたと思うけどね。会って苦しい想いするなら会わない方がいいから。



「あの…何か考え事ですか？」


今はお昼休みで斉藤君と一緒にお昼ご飯を食べていた。
そしてぼーっと考えてた私に斉藤君は声をかけてきた。



一緒にご飯食べてるのに考え事だなんて最悪だ。


「風が気持ちいいなって思ってさ」


ちょうどさわさわと気持ちいい風が吹いてきたのでそれをぼーっとしていた理由に言った。



彼氏である斉藤君に酷いことしてるのはわかってるのだけどつい佐倉君のことを考えてしまう自分に嫌気が刺す。