好きとは言えなくて…
こんな時に誰だよ?


急ぎ足を止めずに携帯をポケットから取り出して今来たメールを確認する。


メールを開くとそこには梢の名前があった。
多分さっきの出来事が梢の耳に入ったのだろう。俺を心配するような内容だった。


「なんだよ。俺に少しは考える時間をくれよ!」


さっきの斉藤君からの言葉に苛立ちを覚え近くにあった空き缶を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばした空き缶は放物線を描くように飛んでいってしまう。


俺はその場に座り込むのと同時に空き缶が地面に当たった音がした。



「俺は…俺は、どうすれば良かったんだよ!」


誰もいない中そう叫ぶが答えは返ってこない。


俺は間違ってたのか?

最上が俺に好きだって言って俺の前から立ち去った時に追えば何かが変わったのだろうか。


俺はそんなもう過ぎてしまった後悔をすることしか出来なかった。



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