好きとは言えなくて…
俺はいつまでそこに座り込んでいたのだろう。
俺を慰めるような爽やかな風が俺の頬を撫でる。
そして両手で握り締めるように持っていた携帯が震えた。
今度は誰?
顔を上げてゆっくりと携帯を開いてメールを確認する。
メールの相手が最上でそれだけで胸がドキンと高鳴る。
「相手が最上だってわかった瞬間にこれって俺はどんなに単純なんだろ」
誰にも聞こえないような小さな声で呟くと最上からのメールを読んだ。
このタイミングでこの内容。俺は神様から最後のチャンスを貰った気がした。
俺はその場を一度立ち上がると梢宛にメールを作成する。
今度は俺が決着をつける番だ。