好きとは言えなくて…
ー由衣子ー


斉藤君と別れて2日が断った。


菜美と斉藤君のお陰で自分の気持ちをした私は佐倉君と向き合う事を決めて母校の小学校で佐倉君を待っていた。


佐倉君には一昨日メールで約束を取り付けてあるから待ってれば来てくれる筈だ。


待ってるだけなのに凄く緊張して何を言うかがわからなくなってしまう。


あっ! まだ佐倉君が来る時間には早いから練習でもしようかな。


そう思い立って伝えたい言葉を口にする。


「あの、佐倉君は昔から私の憧れの人で、私じゃ手が届かない相手でした。
高校生になって佐倉君と会って何度か話していたら憧れ以上の感情を持ってしまいました。
物凄く回り道をしたかもしれないけど、もう一度言わせて下さい。すっ」


『好きです』と言おうとしたら後ろから誰かに抱き締められて続きが言えなかった。


そして、誰だがわからない恐怖で身体が固まってしまう。


「あっあのう~」


なんとかその言葉を振りだすと後ろから『ごめん。凄く可愛いことを言ってたからつい』と返ってきた。


あれ? この声って…。



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