好きとは言えなくて…
「昨日、小学生の頃の憧れの人に会うとはね」
「憧れってあまり言わないで。
朝に佐倉君に憧れってメールに打っちゃったから」
佐倉君からは気にしてないって返事がきたけど絶対変な奴って想われてる。
次会った時どうしよう?
「あたしを置いて一人で悩まないの!」
一人で悩んでいると菜美がコツンと軽く私の頭を叩いた。
「ごめんなさい」
「わかればよろしい
で、佐倉君からなんてきたの?」
そういえばまだ佐倉君からのメールを見てないっけ。
再び携帯を手にして佐倉君のメール開いた。
『最上さんがそういうなら嫌だったらちゃんと言うね(^-^)
俺も変なこと言ってたら教えてね♪』
佐倉君からのメールはとてもシンプルなものだった。
「なんか誠実そうな人だね。この人と付き合えば?」
佐倉君のメールを読み終えた菜美の口から出た言葉はとんでもないものだった。
「はっ? 付き合うって私と佐倉君が?
ダメだよ。私はいい加減だから」
そう。私はとてもいい加減になってしまっていた。
告白されたからって言う理由で付き合ってはすぐに別れてまた告白されては付き合っては別れるの繰り返し。
それが物凄く酷いことなんじゃないかって思えて斉藤君の告白を断った。
だって私から『別れよう』って言ったら向こうからは『サイテーだな』って返ってきたら嫌でも気づくことだった。