好きとは言えなくて…


「とりあえず二人は私の部屋に先に行ってて。私は飲み物入れてくるから。
二人は紅茶でいい? コーヒーもあるけど」



私が菜美と斉藤君に話しかけると菜美は明らかに嫌そうな顔をする。


「あたしはトロピカルジュースがいい!」

「わかった。菜美は苦いコーヒーね」


私は菜美の答えにニッコリ笑いながら切り返した。


「やっぱり紅茶がいい。砂糖とミルクたっぷり入ったやつ」


菜美は甘党だから苦いコーヒーは飲めないから慌てて訂正をした。

そんな菜美がおかしくてクスッと小さく笑ってしまった。


「了解。斉藤君はどうする?」


さっきから私達の会話を楽しそうに見ていた斉藤君にも声をかけた。


「僕も紅茶でいいです」


「砂糖とミルクはいる? さすがにレモンは置いてないから無理だけど」


「じゃあ、砂糖とミルク両方お願いします」

「わかった。用意するから菜美と一緒に私の部屋に行ってて。
菜美はくれぐれも私の部屋を物色しないように!」


私は菜美に強く『部屋を物色するな』って言い、二人が階段を昇るのを見守ってから台所へと向かった。



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