好きとは言えなくて…
「佐倉君って意外と失礼だよね」


ボソッと佐倉君に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いた。


「なんだよ。その意外と失礼っていうのは!」


佐倉君はムッとしながら言い返した。

佐倉君がムッとするのはおかしいよね?


「そのまんまの意味。気を付けた方がいいよ?」

淡々と言うと私もハンバーガーを口にした。


「最上って意外と失礼だよな」

「お互い様でしょ?」


お返しとばかりに佐倉君は言うけどそんなの私が一番気付いてるよ。私は言いたいことは包み隠さず言うっていうことはさ。


「確かに」

そんな回答に佐倉君が笑ってくれた。

そして物凄く優しい目をしながら私を見つめた。


「でも俺はそっちの最上の方が意外と好きだぜ?
もし小学校のクラスメートがみたらビックリするだろうな」


佐倉君は友達として好きとかそういう性格が好きって言うのはわかってるけど、やっぱりそう言われちゃうともしかしてって思ってしまう自分がいて…


「意外と好きって何さ。
そんなことはいいとして佐倉君の過ぎなかった人はどんな人?」


佐倉君の意外と好き発言を軽く受け流して私が今日気になってた事を聞いた。
だってあんなに楽しそうに誕生日プレゼントを選ぶなんて物凄く素敵な人なんだって思った。


「もうその話聞いちゃう?」


佐倉君は嬉しそうに言う。


そんなに嬉しそうに言われると辛いな。なんてまだ好きかどうかもわからないのに何思ってるんだか。

自分がどうしたいのかわからなくて佐倉君にバレないように溜め息をついた。


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