好きとは言えなくて…
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あれ? いつの間にか着信がある。
あれから改札を抜けて学校に向かう為に歩いていると携帯のランプがチカチカとひかり携帯に着信があったのを知らせていた。
「由衣? どうかした?」
携帯を開くと菜美も一緒になって私の携帯を覗きこむ。
着信一件とあってそこを開くと登録されてない番号のため画面には小さく数字が並んでいてその右上には留守電ありと表示されていた。
「間違い電話?」
「かなぁ? でも留守電が入ってる」
誰だかわからないけど留守電を入れるということはもしかしたら知り合いかもしれないと思って私は留守番サービスセンターに接続した。
『こちら。留守番サービスセンターです。』
電話口からは機械の女性の声がしてその声に従って留守電を再生する。
『…………。』
留守電を再生するとしばらく無言が続く。
「イタズラ?」
無言が続くために小さな声で呟く。私の隣にいた菜美はどうした?って言いたげな不安そうな顔をする。
「留守電に接続してるけど無言なんだよね」
「無言? 由衣。携帯貸して」
まだ無言が続くようなので菜美に携帯を渡した。
菜美は私の携帯を受け取ると電話口に耳を当てた。