100年桜


「分かってたのに。由里どうしても好きだったから…それが出来なかった…」

「うん」

「もう胸元の傷だって消えかけてる…」

「うん」

「本当にごめんなさい…」

由里ちゃんは顔を上げずに、そのまま、あたしに頭を下げた。


「それ、あたしにじゃないでしょ?葉月君に言ってあげて」

「……。」

「もう頭上げてよ」



< 179 / 206 >

この作品をシェア

pagetop