僕は君の罪になりたい
「今日付き合ってくれたお礼」



演奏を終えた成宮くんは私の手をギュッと握ると手を離した。



ゆっくり手を開くとそこには

黒い三角のプラスチックが乗っていた。





「ピック?」



…なんて貰っても使い道がないんだけど。





「俺がデザインした世界でひとつの代物だから大切にしてね」


「へぇ〜成宮くんがデザインしたんだ……って!これの何処がデザインよ」




ピックは白いペンで相合い傘の下にみーちゃん・理人と書かれただけ。




「俺の直筆だもん。世界に1個しかないでしょ」




確かにそれは間違ってないけど!




「こんなのいらないわよ。アナタが勝手に使ってれば!?」




ペイッとピックを投げ返すと成宮くんはそれを拾う。





「じゃあこっちあげる」




成宮くんはチュッと何かにキスをすると、それを私に差し出した。
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