僕は君の罪になりたい
「いや、違うな。本当は今時誰も履かなそうな色気のないパンツを何食わぬ顔で履いちゃう所にめっちゃ惚れてま…「黙れ変態」




ニヤニヤしながら体を寄せてくる成宮くんを押し返しながら、3人でファミレスに入った。





「いいなぁ。超仲良しじゃん」


「仲良くないっ!」





智子は目からハートの光線を出しながら成宮くんを見つめている。



そりゃまぁ…カッコイイけどさ。





「成宮くんは何してる人なの?さっき、美羽に惚れた理由が『生徒の為に〜』とか言ってたけど。……まさか!」



ギクッ!


生徒だって感づかれた!?






「教師!?職場恋愛ってヤツ!?」


「……………」




どうやら智子は成宮くんを年上だと疑わないみたい。





「俺はただの購買にパンを届けているパン屋です」


「あー、それで美羽と出会ったってワケね」




なるほど、と智子は手を叩く。




成宮くんの機転の早さに助けられたよ…。





「そうなんだよね、美羽は今高校教師なんだよね。どう?カッコイイ子とかいる?」


「そりゃいるけど…生徒だしね」


「まぁそうだよね。生徒と恋愛なんて気持ち悪いよ」




―…ドクン。




なんだろう、胸が…痛い。






「…やっぱりそう思う?」


「だって教え子と付き合ってるとかキモくない?相手はまだ未成年だし、ちょっと間違ったら犯罪になるよ。…ドラマじゃあるまいし」




やっぱり普通の人は智子みたいに思うよね。



私だって思うもん。





なのに、どうして……



生徒との恋愛を否定しないで欲しかったと思ってるんだろう…。
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