立入禁止(ホラー×恋愛)
≪夏希-side-≫
いつも通り登校するつもりで、7時に起床した。
だが頭痛がして、何かがのしかかっている様に肩が重い。
おまけに吐き気がする。
仕方なく、今日は学校を休む事にした。
また布団に潜り目を瞑る。
すると部屋のある一点から、異様な空気を感じた。
ある一点・・・机の上に無造作に置かれたカルテ。
正直夏希は、カルテは要らなかった。
だが勇から差し出されたカルテを“勇が好きだから”という理由で受け取った。
目を開き、カルテの方を見る。
だが低い位置にあるベッドに寝ている為、カルテを見ることが出来なかった。
プルルルルル・・・プルルルルル・・・
突然リビングにある電話が鳴った。
母親も父親も仕事で、家には夏希1人だった。
仕方なく夏希は重い体を起こしてリビングへ向かった。
担任だろうか?
夏希は受話器を取った。
「もしもし」
返事がない。
聞こえてくるのは砂嵐の音だけ。