立入禁止(ホラー×恋愛)
「おじょーちゃんはゲームオーバー」
尚子は胸ぐらを掴む手に爪を立てたがビクともしない。
男は尚子の首に奈々の血でベタベタのサバイバルナイフをあてがう。
さきほどこらえていた涙が溢れ出す。
「呪ってやる」
涙を流しながら男を睨む。
「呪ってやる!!」
サバイバルナイフをスライドさせる瞬間、それが尚子の最期の言葉だった。
男は尚子の首を深く切った。
動脈が切れ、赤黒い血が辺りに飛び散る。
窓や壁、天井、近くにあった机、男の顔、尚子の顔。
男は尚子の胸ぐらを放した。
尚子は血の海に沈んだ。
男はラストゲームを終えると事務室を出て行った。