本の姫君と童話の王子様。
しばらくは本を読んで過ごしていた。

けれど、さすがに合格発表の日はそうもいかなかった。

久々の学生服に袖を通し、受験票を通学鞄の中に入れて徒歩で駅に向かう。

その途中でふと気がついた。

もう、この学生服を着ることはないんだろう。と。

そう思うと少し寂しくなった。

同時に新しい制服を着て、この道を毎日歩いていくのだと思うと寂しさが和らいだ。

既に合格が決定している私立高校も

これから合格発表を見に行く公立高校も

電車に乗って通う。

家から駅までの道のりは確実に通学路になる。






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