きみのとなり
ケチ。お母さんのケチ。
プリン…私だって食べたかったもん…
コンコンーー
「未来?」
「…拓ちゃん?」
いじけて机に向かっていたらドアがノックされ、拓ちゃんが私に呼びかけた。
「入っていい?」
「え、あ…うん!」
私は慌てて返事をした。
「勉強、どう?」
「まあまあかな…先生には拓ちゃんと同じ西高狙えるって言われたの」
「…すげえじゃん」
「うん…」
うまく拓ちゃんと会話できなくて、息が止まりそう…
「…これ」
「へ?」
突然、私の目の前に拓ちゃんが差し出したもの。
「プリン?」
「未来がどうしても食べたがってたから。ほら、食え」
「……あ、りがと…」
胸が、また…苦しくなったよ…
「じゃあな…」
拓ちゃん…
「…や」
拓ちゃん…行かないで…
「……え?」