きみのとなり


鈴木君に話し掛けられると、変な汗をかく。



前からだけど、この間の花火大会の時から更にだ。



「もう!鈴木はいつも私と未来の邪魔をするんだからぁ!」



言おうとしていた言葉を盗られた梢はご立腹だ。




「斗真~おっはよー!!」



「はよっす」



そこへ、鈴木君が登校してきたのを見つけた田中君が人懐っこい笑顔を向けてやって来た。




ふぅ…助かった。



これで鈴木君には話し掛けられないな。




「斗真も見た!?学校新聞!」


「見た。掲示板に貼ってあったよ。上原、すげえな」



「え…そんな…私、足捻挫しただけで何も…」



けれど、また、鈴木君に話し掛けられて再度アタフタしてしまった。



「ゴール決めたじゃん。すごかったよ。…捻挫、早く治るといいな…」



「…うん…ありがと」



「うん。じゃ、また後で」



鈴木君はアタフタした私をクスッと笑ってから、ヒラヒラと手を振って田中君と一緒に



男子の輪の中に入って行った。


何か……変だ。



私…







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