きみのとなり
フットボールの子達がいたから勝てたって言いたいんだよね?
違うのに…
優子ちゃんだって、他のフットボールクラブの人だって
ちゃんと私達にパスしてくれたり…したんだから…
でも私…
「っ……」
言えない…
「……あのさぁ…」
「あぁ?」
私が唇を噛み締めて、突っ立っていると、後ろから呆れたような声がした。
女の子2人はその声の主をジロリと睨んだ……
だけど…
「え…す…鈴木君!!」
「嘘!」
え……?
鈴木君?
「鈴木君…今帰りぃ?」
さっきまでガラの悪かった女の子2人は声色を変えて、猫なで声で話しはじめた。
「……あのさぁ…サッカー、勝ったのはみんなが頑張ったからなんだよね。確かにフットボールクラブの子がたくさんいたけどさ、一人一人頑張った訳よ。この人とか?」
「へ…?」
鈴木君は私の横に並んで、唖然とする私を指さした。