きみのとなり
鈴木君に真剣に言われたからか、2人はバツが悪そうにして何も言わずに歩き出した。
「…鈴木君……ありがと」
「いや…何かムカつくじゃんああゆうの。上原、頑張ってたし…」
「…うん…」
鈴木君は私のケガした足をチラッと見てから、すぐに足でもなく私でもない方に視線を向けた。
「…?」
私は不思議に思って鈴木君の視線を辿った。
「………拓…ちゃん…」
「おす…」
なんだか気まずい。
朝もあんな態度だったし…
今は休憩なんだろう。
拓ちゃんの隣には河野さんがいる。
「未来ちゃん、今帰り?」
「あ…はい…」
「そっか!…その隣にいる男の子は……彼氏?」
「っ!!ち…ちが!」
河野さんは意地悪だ。
私が拓ちゃんを好きなのを知っているだろうに、そんなことを言うのだから…
私は、河野さんの言葉に真っ赤になりながら否定した。