きみのとなり


「お前、何が言いたいの?」



拓ちゃんは少しイラッとした様子で鈴木君に言った。




「いや、先輩は彼女さんいるんで関係ないです。だから部活戻ってください」



「は?何なのお前…」



拓ちゃんの眉間のシワがどんどん深くなる。




や…やばい…



「拓ちゃ…」



「上原」



「…へ?」




わ…私…?




「俺、上原のこと好きなんだけど」




……は?




「…え…あ…ぅ…えと……」




あ…頭がついて行かない。




鈴木君が……?



私を?



「…ま…まさか…っわ!」



信じられなくて、後ずさりをした私はまたも松葉杖を小石に引っ掛けた。




「未来!!」



拓ちゃんが私の名前を叫んだ。



「…っ」



だけど…



フェンスの外にいる私を、拓ちゃんが助けられるわけはなくて…




「上原!」



パシッと掴まれた腕。



それは




「大丈夫?」



「!!!」




鈴木君だ。






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