きみのとなり
掴まれた腕。
私の顔を覗き込む鈴木君…
「…っわ…私…ごっ…ごめんね!ありがと!っ…帰る!!」
「え…送ってくよ…」
「へ…平気!!じゃあね!」
私は恥ずかしくて、鈴木君の手を振り払って
できるだけ早く歩いた。
「…嘘…鈴木君が?私を?」
まだ心臓がドキドキしている。
「だって、信じられない…」
だって、私は……
私は…
「拓ちゃん…」
拓ちゃんが好きなのに…
どうして?
「………あ!!」
拓ちゃん……
そうだ…
拓ちゃんに……告白されたところ…
「み…見られたぁ…」
私は一人、ギャーギャー叫びながらマンションへ早足で帰った。