きみのとなり
「ああ…やっちゃったよ…」
ご飯もお風呂も済ませた私は参考書片手にベランダにいた。
柵にもたれ掛かってブツブツ言っている私は、もちろん参考書なんか読んでいない。
「ハァァ…どうしよ…告白されたのなんて小学生以来だし…ハァ…」
カラカラーー
「…ん?」
窓が開く音がして、私は寄り掛かっていた体を起こしてそっちを向いた。
「…あ……」
「…お……」
……拓ちゃんだ…
「こ…こんばんは!!」
うわぁ…私…言うこと違うし。
球技大会のお礼言いたいのに!
「……フッ…こんばんは」
拓ちゃんは私から出てきた言葉に、一度だけ笑ってあいさつを返してくれた。
よかった。
そんなに冷たくない…
私は慌てる中でどこか落ち着いてそう考えていた。
「…あっ…のさ…」
「ん?」
「あの…」
手汗をかく。
お風呂に入ったのに、首にも顔にも汗。
私は両手をギュウッと握りしめて、拓ちゃんと私の間にある低い壁に手をついた。