きみのとなり
この声は……
私は恐る恐る振り向いた。
「みんなで。学祭、行かない?」
「鈴木!!」
梢がびっくりしたように声をあげた。
その名前に、ビクッと心臓が跳ねる。
『上原のこと好きなんだけど』ーー
「っ…!!」
先日のことが頭に突然浮かんで、私は思わず鈴木君から思い切り顔を逸らしてしまった。
「…っ~」
やだ…私…
意識しすぎ…
「ん?未来?どーしたの?」
「……何でもない…」
「えー?顔真っ赤だよ?」
「……平気…」
「そう?」
平気と言ってごまかしたけどやっぱり顔は熱を持っている。
「……上原」
「!!!」
何で!?
どうして!?
「す…鈴木君…」
いつの間にか、鈴木君は私の目の前に来ていてばっちり私と目を合わせている。
「…行こ。みんなで」
彼が真っ直ぐ私を見る。
そんな目で、行こうなんて言われたら…
「…うん……」
頷くしかできなかった。