きみのとなり
西高学園祭
当日。
「兄ちゃん、何かするらしいぜ!」
「裕介君のお兄ちゃん、かっこいいからきっとすぐ見つかるねー」
なぜか別々に来たはずの裕介と真美ちゃんといる私達。
結局…梢、田中君、鈴木君、数名の女子
と学園祭に来てしまった。
鈴木君が……近い…
意識しちゃう私って…
「未来!」
「?」
少し熱を持った顔に手を当てていたら、裕介が小声で私を呼びながら
クイクイと服の裾を引っ張った。
「何?」
私も裕介につられて小声になる。
「気のせいかもしんねーけど、未来の近くにずっといるあんちゃんって…誰?」
「え…」
きっと鈴木君のことだ。
「な…何で?」
「いや、かっこいいと俺は思うから」
「……」
そっか…
やっぱり、鈴木君はかっこいいんだ。
裕介から見ても……
「…うん…鈴木君は人気者だもん…」
なのに何で…
拓ちゃんを諦めないで、鈴木君の告白にまだ…
答えてないんだろう、私…