きみのとなり
男の人が一人と女の人が一人…
「かわいいなー…拓海が羨ましいよ」
「こーら!怒られるよ?拓海に」
二人でこんなやり取りをしている。
「私、絵美っていうの!こっちが司で、一応彼氏」
「一応って何だよ!…改めてよろしく!未来ちゃん!」
「あ…こちらこそ…」
何だか似た者同士のカップルみたいで面白い。
「拓海、綺麗だったでしょ!私より女みたいだから嫉妬しちゃうわー」
絵美さんは頬をぷくっと膨らませて言った。
「ま、その美女が私の彼氏ですけどー?」
私が絵美さんの言葉に笑っていたら、得意げな顔をした河野さんが看板をクルクル回しながら私達の所へやって来た。
「ほんと嫌~!拓海のせいで自信なくしたぁ」
「何それぇ!!」
絵美さんと河野さんは楽しそうに会話を始めた。
「……」
何だか、高校生と中学生の差を見せ付けられた感じだ。