きみのとなり
過去形ですか…
ちぇ…
ちょっとだけ、河野さんが浮気してて拓ちゃんにフラれちゃえばとか思ったのに。
「えーー!!!!か…河野って…岩村先輩の…元カノ!?」
司さんと周りのサッカー部員は全員驚いていた。
さすがに絵美さんは知ってたみたいで、うんうんと頷いている。
「そう!俺がフラれちゃったの~」
「っ…!!ちょっと!ちがっ…」
「まぁいいじゃん。それでさ」
何だか不思議なやり取りをした二人。
「…1番に…なるんでしょ?」
「……ほっといてよ」
またまた不思議な会話。
河野さんはそれきり黙ってしまった。
「ま、座って?一応、模擬店だからさ!」
少し気まずくなった空気を洗浄したのは絵美さんだった。
絵美さんは私達をイスに座らせると、クリスマスによく見る、子供用シャンパンをみんなに出してくれた。
「すみません…」
「どうぞごゆっくり。岩村先輩!拓恵ちゃん!」
絵美さんが二人を呼ぶと、ヒゲを生やした女性と美女がササッとやって来た。