きみのとなり
怒ったの…?
拓ちゃん…
「何?お前はただの幼なじみでしょ?俺が何言おうが関係…」
「大事なんで」
拓ちゃんは岩村さんの言葉を遮って言った。
大事なんで。だって…
それは…どういう意味?
「お前の1番は未来ちゃんなわけ?別に、いるでしょ」
岩村さんはチラリと河野さんを見た。
「……大事なんです……妹…みたいな奴なんで」
「ふーん…そっちかぁ…」
拓ちゃんは、失礼しますと言うと無表情のまま奥へと行ってしまった。
「……」
拓ちゃん…
やっぱり、1番には……
なれないんだね。
私は…
「未来…」
私が俯いていると、梢が肩にそっと手を置いた。
「うん……大丈夫…」
私は梢にだけ聞こえる声でそう呟いた。