きみのとなり
河野さんは着ている拓ちゃんの服を掴んで
ふふふっと笑った。
私は……
何を言えばいい?
「上原」
私が河野さんを見て黙っていたら、鈴木君が私の腕を掴んだ。
「お化け屋敷いかない?」
「え…お化け屋敷?」
「うん。俺怖いの苦手だからさ。一人で行くの無理じゃん?」
「え…でも…」
「よし。行こ」
鈴木君は私の返事も聞かずに、私を引っ張ってそそくさと歩き出してしまった。
私もびっくりしたけど、梢も田中君も、そして裕介も真美ちゃんも河野さんも
驚いた顔をして私達を見ていた。