きみのとなり
河野さんのメールを見たあとだからか
私は拓ちゃんと目を合わせなかった。
「…未来……?」
拓ちゃんはそんな珍しい行動をとる私をおかしいと思ったんだろう。
ベランダを跨いで、こちらに来ようとした。
「あーー!!ストップ!」
「はぁ!?」
「ダメ!もう私すぐ寝るから!ダメ!」
「…そう…か…」
嘘。
本当は来て欲しいよ。
でも…
「…た…拓ちゃん…来週、河野さんとデートなんでしょ?」
「…え?何で知って…」
「お…おみやげお願いね!あはは…じゃっ!おやすみ…」
苦笑いをして早口で喋ってから急いで部屋に駆け込んだ。
窓も思いっきり閉めて、カーテンも素早く閉めた。
「…っ……」
拓ちゃん…
苦しいよ…
拓ちゃん…